ホワイト企業の見分け方について

ホワイト企業に明確な条件はありません。一般的には、社員を大切にして、働きやすい職場環境を整えている企業ということになるでしょう。では、企業のどのような点に注目すれば、ホワイト企業と言えるのでしょうか。本記事では、具体的な例を挙げて、ホワイト企業の見分け方について紹介していきます。

ホワイト企業の見分け方で注目したいポイント

ホワイト企業の見分け方で注目したいポイントは勤務時間や有休休暇、福利厚生など、多岐にわたります。以下に代表的なものを解説します。

残業時間や労働時間の適正

ホワイト企業の労働時間は、法定労働時間である週40時間、1日8時間を遵守しているのが一般的です。残業時間は少なく、月20時間程度が目安とされており、一日あたり1時間程度の残業にとどまることが多いでしょう。賃金の発生しないサービス残業は発生しないように対策されています。適正な労働時間にすることで、従業員の健康やプライベートを尊重し、ワーク・ライフ・バランスを重視しているのが特徴です。

有給休暇・各種休暇が取得しやすい

法律で定められた年次有給休暇の取得率が高いだけでなく、従業員が気兼ねなく休める雰囲気があります。有給取得を奨励する企業も多く、取得率80%以上という企業も珍しくありません。また、育児や介護のための休暇、リフレッシュ休暇、記念日休暇など、独自の休暇制度が充実しており、ライフイベントと仕事を両立しやすい環境が整っています。

柔軟な働き方制度の導入

ホワイト企業では従業員一人ひとりのライフスタイルや状況に合わせて、柔軟な働き方を積極的に導入しています。代表的な例として、出勤・退勤時間を自由に決められるフレックスタイム制度があり、子どもの送り迎えや通院など、個人の都合に合わせて勤務時間を調整できます。また、在宅勤務やサテライトオフィスでの勤務を可能にするテレワーク・リモートワーク制度も広く普及しており、通勤時間の削減や、育児・介護との両立に役立っています。さらに、育児中の社員が利用できる短時間勤務制度や、副業を認める制度など、多様な働き方をサポートする仕組みを導入している場合もあります。

福利厚生の充実

ホワイト企業は、社員の生活を豊かにするため手厚い福利厚生を提供しています。代表的なものでは、家賃補助や住宅手当を支給する住宅関連の支援があります。これにより、社員は経済的な負担を軽減し、より良い住環境で生活できます。また、財産形成を助ける財形貯蓄制度や、社員持ち株制度も普及しています。さらに、社員食堂での安価な食事提供、フィットネスクラブの利用補助、人間ドック費用の一部負担など、社員の健康増進を目的としたユニークな制度も充実している企業もあります。

採用条件と社内認証の透明性

採用時に提示された勤務条件と実際の労働環境が一致していることがホワイト企業の特徴です。また、明確な評価制度が導入されており、社員は公平な基準で評価されていると感じられます。この透明性が、給与や昇進への納得感を生み、社員のモチベーションを向上させます。また、高いコンプライアンス意識も特徴で、法令遵守や社内ルールの徹底が図られています。

従業員の定着率や平均勤続年数

ホワイト企業は、従業員が働きやすい環境が整っているため、離職率が低く、従業員の定着率が高いのが特徴です。その結果、平均勤続年数も長くなる傾向にあります。日本の企業全体の平均勤続年数が12.7年程度であるのに対し、ホワイト企業は15年以上が目安とされていて、社員が企業に満足し、長期的に働きたいと感じているといえます。

企業選びは総合的に判断

ご紹介してきたように、ホワイト企業を見分けるポイントには、労働時間や各種休暇制度、働き方制度福利厚生などがあります。しかし、対外的には「ワークライフバランスの重視」としていても、実際にはほとんど実行されていない場合もあります。あまり企業のディテールだけにこだわることなく、総合的に判断することも重要です。